ガン細胞とは・・・ ガン細胞が何なのかを知るために、まず通常の細胞の動きについて少し知る必要があります。 通常の細胞は、他の細胞と接触したときに、分裂や運動をそこでやめる「抑制機能」を持っています。そして、ある回数分裂するとそれ以上分裂できなくなる「寿命」を持っています。 これに対し、がん細胞は、他の細胞とのコミュニケーションをとる機能を失っており、他の細胞と接触しようがお構いなしに分裂や運動を繰り返し、他の細胞組織の間に入り込んだり乗り越えながら増殖します。しかもガン細胞は、寿命が短くなってもそれを更に延ばす酵素を持っており、無限の寿命を持って分裂し続けます。
ガン細胞自体に毒性はありませんが、なぜ害になるかというと、ガン細胞は何の役にも立たない自己細胞であり、そのような細胞が、臓器や他の細胞組織に入り込んで、組織としてのメカニズムを機能できなくしてしまうからです。例えば、鉄を材料に作られた機械の中で、仕組みを持って構成された部分に無意味な鉄のカタマリがどんどん押し分けて入ってきて、機構を持った機械ではなく、全体を無意味な鉄クズにしてしまうようなかたちです。
がん細胞には厄介な点が多くあります。 1つ目は、前述したようにガン細胞は「暴走した自己の細胞」であり、免疫機能も見分けができずに動きに制限がなく、組織全体が壊れるまで自覚症状が出ない点です。自分の細胞であるだけに見分けることも難しく、他の正常な細胞に影響を与えずにがん細胞だけを完全に取り除くことが困難です。 2つ目は、動きに制限がなく、他の細胞の助けを借りずに、1つのものでも増殖できる細胞なので、血液の中に1つでも入れば、他の臓器にいってしまい、そこでさらに増殖をはじめてしまいます。これが「転移」と呼ばれます。これが起きてしまうと、全てのがん細胞を取り除くことは至難になります。
このような性質・仕組みから、がん細胞はいかに少ない状態・まだ広がっていない状態で発見すること(早期発見)が重要であり、取り返しのつかない事態を避ける唯一ともいえる方法とわかると思います。 具体的には、定期的かつ継続した検査が必要です。 がんによる死亡率は、男性で40代後半〜70代後半で30〜45%、女性では30代前半〜70代後半で30〜50% であり、この高い数字からもがんは他人事などではなく定期診断は絶対に必要であるとわかると思います。 定期的に診断を受けてない方は特に必要があります。